用途変更は、建物の使い方を変えるだけではありません。建築基準法などの法令に適合しているかを確認し、必要に応じて改修工事を行う必要があります。そのため、計画を進める中でさまざまな課題が見つかることがあります。
ここでは、用途変更で特に大変になりやすいポイントをご紹介します。
1. 図面が残っていない
最も多いのが、「図面がない」というケースです。
築年数の古い建物では、確認申請図面や竣工図が紛失していることが珍しくありません。また、建物の所有者が変わる中で図面が引き継がれていないこともあります。
図面がない場合は、現地調査や実測を行い、現在の建物を正確に反映した現況図を作成する必要があります。
2. 図面と現況が一致していない
図面が見つかっても安心とは限りません。
増築や改修、間取り変更などが行われていると、図面と実際の建物が異なっていることがあります。
用途変更では現在の建物を基準に検討を進めるため、現況に合わせて図面を修正したり、新たに現況図を作成したりする必要があります。
3. 法令への適合確認
用途が変わると、避難経路や防火設備、内装制限、採光、換気など、確認すべき項目が変わります。
現在の建物が新しい用途の基準を満たしていない場合は、改修工事が必要になることがあります。
4. 建物の状態を把握する必要がある
図面だけでは分からないこともあります。
現地調査では、柱や壁の位置、天井裏や床下の状況、設備の配置などを確認し、建物の現状を正確に把握します。
この調査結果が、その後の設計や確認申請の重要な資料となります。
5. 関係者との調整
用途変更では、建築士だけでなく、建物の所有者、施工会社、行政機関など、多くの関係者と調整を行う必要があります。
必要な資料を集めたり、工事内容を検討したりするため、想定より時間がかかることも少なくありません。
早めの準備が成功への近道
用途変更で時間や費用がかかる原因の多くは、計画を始めてから問題が見つかることです。
図面がない、図面と現況が違う、建物の状態が分からないといった課題は、早い段階で確認しておくことで、その後の手続きをスムーズに進めやすくなります。
用途変更を検討している場合は、まず図面の有無を確認し、必要に応じて図面復元や現況図作成を依頼することをおすすめします。正確な図面を準備することが、用途変更を成功させるための第一歩です。
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